いつもお世話になっております。今月号の事務所だよりをお届けしますので、ご査収下さいますようお願い申しあげます。
所得・収入・年収・年俸の意味について
年末調整のため「扶養控除等の申告書」や確定申告で「扶養控除の所得要件」で奥さんや、子供の所得を記入します。また「クレジットカード」を作成するときに年収や所得を記入します。「いったい何の金額を書くのかわからない」といった質問をよく受けます。 1. 総所得金額
総所得金額とは、次の(1)の金額と(2)の金額との合計額(純損失、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失、特定居住用財産の譲渡損失及び雑損失の繰越控除後の金額による。)をいいます。
(1) 利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、給与所得の金額、総合課税の短期
譲渡所得の金額及び雑所得の金額の合計額
(これらの金額は、損益通算後{プラスとマイナスを相殺}の金額に よる。)
(2) 総合課税の長期譲渡所得の金額及び一時所得の金額の合計額 ×1/2の額
(これらの金額は、損益通算後の金額による)
(3) 総所得金額は、源泉分離課税の適用を受ける利子所得、源泉分 離課税の適用を受ける配当所得及び確定申告
をしないことを選択した配当所得を除いて計算します。
2. 合計所得金額
合計所得金額とは、純損失、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失、特定居住用財産の譲渡損失及び雑損失の繰越控除をしないで計算した総所得金額、分離短期譲渡所得の金額(特別控除前)、分離長期譲渡所得の金額(特別控除前)、分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額(上場株式等に係る譲渡損失との損益通算後で、繰越控除の適用前の金額)、株式等に係る譲渡所得等の金額(上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除及び特定株式に係る譲渡損失の繰越控除の特例の適用前の金額)、先物取引に係る雑所得等の金額(先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除の適用前の金額)、山林所得額(特別控除後)及び退職所得金額(2分の1後)の合計額をいいます。
3. 総所得金額等の合計額
総所得金額等の合計額とは、合計所得金額に各損失の繰越控除 の適用をした後の金額をいいます。
4. 各損失の繰越控除とは
・ 純損失及び雑損失の繰越控除 ・上場株式等の純損失の繰越控除・居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の
繰越控除・特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除・上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除・特定中小子会社が
発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除・先物取引の差金等決算に係る損失の繰越控除をいいます
5. 具体例
給与収入金額 = サラリーマンのAさん 課税支給額 500万円
Aさんの奥さんのパート収入 103万円
Aさんの息子のアルバイト収入 120万円
給与所得金額 = サラリーマンのAさん 給与所得控除後の金額 346万円
Aさんの奥さんのパート給与所得控除後の金額 38万円
Aさんの息子のアルバイト給与所得控除後の金額 55万円
扶養控除の対象になる条件は、合計所得金額なので各人の合計 所得金額は次のとおりです
合計所得金額 = サラリーマンのAさん 346万円
Aさんの奥さん 38万円
Aさんの息子 55万円
事業所得者の年収は、諸説あり {年収=売上}{年収=合計所得金額}だったりします。 *上場株の配当を確定申告すると税金が戻る場合がありますが、
扶養が外れるケースもありますので注意が必要です。
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